10/08/18
記事:共同通信社より
東京都足立区の東京医療第一薬局で2008年8月、抗血栓薬を処方された心臓病の男性=当時(82)=が約1カ月後に死亡した事故で、警視庁捜査1課と西新井署は18日、誤って処方せんの4倍量の抗血栓薬を処方したとして、業務上過失致死の疑いで調剤担当と薬局長の薬剤師2人を書類送検しました。
筆者注)抗血栓薬を処方した → 抗血栓薬を調剤した の誤りだと思われます。
薬剤師にとっては人ごとではない事故です。
昔アメリカの病院、薬局等の視察に行った時、アメリカでのワルファリンは、規格(1錠あたりに含まれるお薬のmg)によって色分けされていたことを思い出しました。
日本ではまだ1mgが主流だったころですので、カラフルな錠剤が珍しいなと感じたこと、ミスが減るという点ではとても優れているけれど、色素による過敏症は大丈夫なのかな、と感じたことを覚えています。
しかも視察した病院ではワルファリン外来という専門の外来もありました。
日本とはずいぶんワルファリンに対する意識が違うんだなと驚いたものです。
日本でもワルファリンが規格ごとに色分けされて、メーカーが違ってもそれが統一されていたら・・・
視覚に直接訴える色があれば、薬剤師が、あるいは患者様が、あるいはご家族が気付いていたかもしれません。
このたびの不幸な事故は防げていたかもしれません。
病院勤務時代に参加した、日本赤十字社の勉強会で言われた言葉は、今でも私の中の薬剤師としての座右の銘になってます。
「人はどんなに注意していても、ミスをします。
誰にでも体調の悪い時、精神状態の悪い時はあります。
人によるミスをなくすことは絶対にできません。
だから、ミスを発見するシステムを作ることが大事なのです」
もちろん、薬局の監査システムを見直すこと、薬剤師の意識の向上などが第一です。
ですが、ワルファリンに限らず、mg数によっての色をメーカーが違っても統一するなど、悲しい事故が怒らないような、根本的な工夫が必要なのではないでしょうか。
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